よく「うちは残業は多いが成長できる環境」と求人や面接などでアピールするIT企業があると思います。
しかしこの考え方は間違っています。残業時間と成長には相関性はなく、むしろ残業時間が少ないほうが成長できる環境である可能性もあります。
今回は、残業が多くて大変なプログラマーが成長できる環境とは限らない理由を自分の経験をふまえて紹介します。
実体験はどうだったか?【私の経験】
残業多い人が成長していたわけではない
私が勤めていたIT企業はそこそこの規模だったので同期も少なからずいたり、年が近い先輩・後輩もいました。
どの人が残業が多そうだなということは見ていればなんとなくわかります。
なにをもって成長とするかは様々だと思いますが、成長というのを会社からより評価されるということと仮定すると、
残業が多い傾向がある人が、成長速度が早いかと言うとそういうわけではありませんでした。
印象としては残業が多い人はダラダラ働いているか、本当に大事な仕事を任されて責任感が強く期日に間に合うように残業をしているという2つに分類されます。
残業時間が少ない人が成長していたわけでもない
一方で、残業が少ない傾向がある人も、成長速度が早いとも限りませんでした。
印象としては残業が少ない傾向がある人は、自分に大変な仕事が来ないようにうまく仕事をして早く帰っているか、業務の効率が良くて早く終わらせて早く帰っているという感じです。
私自身もどちらかというと残業が少ないほうで、どちらかというと無理やり早く帰っていたほうでした。ですので、他の人と比べても成長度合いは普通という感じだったと思います。
結局、残業の多い少ないは、プログラマーにとって成長との相関性は見られないというのが私の経験です。
残業が多くて大変なIT企業が成長できる環境とは限らない理由
残業時間の多い少ないに限らず成長できる仕事を効率よくすることが重要
プログラマーの成長にとっては、残業時間の多い少ないに限らず成長できる仕事を効率よくすることが重要です。
同じ仕事をするのであれば短時間で効率良く終わらせるのが良いです。それは、その仕事が終われば次の仕事が来るからです。
効率よく仕事をすることでたくさんの業務を経験することができるので、結果的に成長に繋がります。
残業をしすぎると心も体もぶっ壊れる
たしかに効率よく仕事をしなくても残業でカバーすれば、同じように成長することができます。
しかも会社員であれば会社からは残業代が支給されるので、金銭的にもメリットがあります。
そのうえ、残業をしていることを評価される風土である会社であれば、下手をすれば効率よく仕事をして早く帰る人よりも残業をたくさんしている人の人事評価が高くなるかもしれません。
しかし、残業をしすぎるというのは長期的な目線では、プログラマーにとってメリットは少ないです。それは、残業をしすぎると心も体も壊れてしまう可能性があるからです。
心身が壊れると、最悪の場合プログラマーを続けられなくなってしまう可能性もあります。
残業が少ない会社は効率良く働くことが求められる
IT企業において残業を少なくするためには、効率良く働くことが求められます。
例えば、
- プログラムが読みやすくなっているか
- テストが自動化されているか
- 無駄な会議がないか
- 仕様などがきちんと文書化されて残されているか
などです。
これらのことができていなと効率よく仕事を終わらせて残業を少なくすることは難しいです。
そしてこれらの能力というのはプログラマーに求められる能力に直結します。
例えば、担当者が変わった時に仕様がきちんと残ってなかったら、また1から仕様を解読しなければいけないかもしれません。それに加えてプログラムが読みやすくなかったら最悪ですよね。場合によっては、ゼロから作り直したほうが早いなんてことも起きます。
「効率化 = プログラマーに求められる能力」なので効率よく働けるように工夫することがプログラマーの成長に繋がります。
まとめ
残業が多くて大変なプログラマーが成長できるという考え方は間違っています。私の経験からも残業時間と成長には相関性はなく、むしろ残業時間が少ないほうが成長できる環境である可能性もあります。
そもそも残業時間を多くすることと、少なくすることでは後者のほうが難しいです。難しいことをしている方が成長につながる環境に近いのは言うまでもないです。
残業をしすぎると心身が壊れてしまう可能性もあるので、それでは意味ありません。
そしてプログラマーの成長には、残業時間の多い少ないに限らず成長できる仕事を効率よくすることが重要です。
そのためには、残業を良しとする風土の会社ではなくて、効率化こそが正義という会社で働くのが良いです。
自分は残業代も貰わずに他の人より効率よく働いているのに、正当に評価されなかったら嫌ですよね。
現状がそのような会社であるなら転職を考えたほうが良いかもしれません。